選手としての素養

 全国大会で活躍するような選手になるにはどうすればいいか?
 私自身は、高校時代に連合会の東日本大会で優勝が1回、千葉県の大会で3位になったのが、1回か2回程度の選手だったので、偉そうなことは言えません。
 ただ、三谷和也が指揮した成徳会は、1995年~2005年の10年間、小中学生で日本一になるような選手を作り続けた団体です。
 そのまま高校・学連・ナショナルチームなどで活躍する選手も多数輩出しました。

 ここでは、成徳会の35年の歴史で、どのような子が選手としての素養があるか書いていこうと思います。

 

 選手として空手をやっていく必要があるのか

 まず、前提として選手として空手をやっていく必要があるのかについて考えてもらいたいと思います。
 空手はプロスポーツではありません。また、入門するにあたり、スポーツ選手になるために空手を始める子はそれほど多くないのではないかと思っています。
 体力アップのため、学校でいじめられないため、礼儀作法を身に着けるためなどではないでしょうか?
 選手にも、市、都、関東、全国など、さまざまなレベルがありますが、目標レベルが上がるほど、多大な努力と才能を必要とします。
 全国レベルを目標にするには、生活の大半を空手に費やすことになるでしょう。
 その膨大な時間を空手に費やすべきか?選手としてやっていくと決める前に今一度考えてもらいたいと思います。

 どの程度練習する必要があるのか
 全国レベル
でやっていく子達は、毎日2~3時間です。通常休むことはありません。
 特に空手に限った話ではなく、ピアノやバイオリンの奏者は毎日2~3時間365日練習しますし、プロ野球選手になるような子は、リトルリーグからプロになるまで、ほとんど休んだ記憶がないなんて話がザラです。
 空手の世界も、最近はプロで道場を開いている先生も多いので、幼稚園や保育園の延長保育代わりに週5で通っている子などもいます。
 小学生ぐらいになれば道場以外でも自分でできるトレーニング、シャドーやミット打ち、柔軟や筋トレなどは家で自分でやるようになります。
 都レベルでも週3の稽古は最低必要になり、その他自分で稽古します。
 市レベルなら週2~3、稽古のときだけ一生懸命やっていればそれなりに活躍できるでしょう。
 ちなみに、週7で練習を行っても、先生の話を聞かない、真剣に練習できない、つらいから手を抜く子は、もちろん選手には向きません。

 どのレベルまで昇りたいかによりますが、それなりの才能と努力、犠牲が必要になることはご理解頂けると思います。